パワー半導体とは About Semiconductor
三社電機グループが開発・製造している半導体は、よく知られているメモリーやマイコンなどの集積回路半導体ではなく、大きな電流や電圧の交流・直流の変換、電流電圧の制御など、さまざまな電源装置に使用されるパワー半導体です。
お客様のさまざまな生産設備や、電源機器などの多種多様な電源製品群に採用され重要な役割を担っています。
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高耐圧、大電流かつ電力損失を低く抑えたパワー半導体を自社開発
プレーナだけでなく独自のメサ技術により、高耐圧と低損失を両立するパワー半導体を開発・製造しています。
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高信頼性を実現するパッケージ技術
独自のパワー半導体に適したチップのパッケージ技術により、長期信頼性が重要な産業用とで高い評価をいただいています。
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電源機器事業とのシナジー
創業以来、電源機器の開発・製造を行ってきたことから、パワー半導体が電源機器にどのように使われているかに精通。
お客様の使用環境・用途に合わせた最適な提案が可能。
ダイオード
ダイオード
整流ダイオード
最も基本的な構造であるPN接合で構成されたデバイスで、電流を一方向に流すための半導体です。
交流から直流への変換回路や電流の逆流防止に使われます。
インバーター製品、モーター用電源、直流電源など
高速ダイオード
逆回復時間(trr)が高速になるように設計されたダイオードです。
FRD(Fast Recovery Diode)とも呼ばれています。
整流ダイオードは、商用電源の整流用として開発されており、OFF 時の逆回復特性が高速ダイオードに比べて非常に悪く、
逆回復時のサージ電圧により破壊することがあるため、スイッチング周波数1kHz以上で動作する場合は高速ダイオードを使用してください。
ソフトリカバリ高速ダイオード
ソフトリカバリ高速ダイオード
ダイオードの逆回復動作時に、緩やかに逆回復電流が減少する高速ダイオードです。
ショットキーバリアダイオード
金属と半導体で形成されるショットキー接合によるダイオードです。
順方向電圧(VF)が低く、逆回復時間(trr)が高速であることが特徴です。
ただし、リーク電流が大きく、耐圧は200V程度までと低い素子です。
サイリスタ
サイリスタ
ゲートに電流を流すことにより、スイッチングさせることが出来る整流素子です。
一方向の電流に対してオン、オフの制御をすることができます。
低速スイッチングですが大電流を扱えるという特徴があります。
モーターや産業機器などの大電流の制御に使われます。
トライアック
トライアック
一方向の電流に対してスイッチングをするサイリスタに対して、トライアックは双方向にスイッチングできます。
このため、トライアックは交流のスイッチング用途で使用できます。
ACスイッチ、調光器、家電のモーター制御、温度制御に使われています。
IGBT
IGBT
MOSFETを高耐圧化するためにはドリフト層を厚くする必要があり、オン抵抗が高くなるという弱点があります。
IGBTは裏面側P層からホール(正孔)をN-層に注入することで、抵抗値を低下させる電導度変調を利用してMOSFETの高耐圧化に伴う弱点を克服しています。
MOSFETより低速となりますが、高耐圧で高速なスイッチングを実現したデバイスです。
各種インバーター、業務用エアコン、溶接機などの高耐圧の領域に使われています。
SiC MOSFET
SiC MOSFET
IGBTの弱点である高速スイッチングを克服したデバイスです。
SiC(シリコンカーバイト)は絶縁破壊強度がSiの10倍であるために同じ耐圧でもN-ドリフト層が薄くなり、低いオン抵抗が可能となります。
高耐圧と低オン抵抗を両立した性能が特徴で、ユニポーラ動作のため高速スイッチングが可能となります。
各種インバーター、誘導加熱、高周波プラズマ用電源、モーター制御などに使われます。