トップメッセージ Top Message
93年の信頼と 挑戦の精神で、 次の成長ステージへ

技術者の底力を原動力に、変革を進める
三社電機グループは、創業以来93年にわたり、パワーエレクトロニクス技術を磨き、お客様のさまざまな課題に応えることで成長してきました。長年お取引いただいているお客様との対話を重ねる中で、改めて当社に寄せられている信頼と期待の大きさを実感しています。
そして、私が当社の大きな強みとして感じているのが、「技術者の底力」です。難易度の高い技術課題にひたむきに向き合い、それを形にする。「顧客課題を解決する技術力」は、一人ひとりの仕事の中に根付いており、当社の競争力の源泉であるとともに、これからも大切に育てていくべき無形の資産だと考えています。
一方、長い歴史の中で積み重なった慣習を見直し、変えるべきものは変えていかなければなりません。当社が培ってきた強みをさらに磨きながら、創業100周年、そしてその先の成長に向けて変革を進めていくことが、私の使命だと考えています。
AI時代の拡大する電力需要を、パワーエレクトロニクスで支える
2025年度は、前年比で増収、営業増益を達成しました。一方、持分法適用関連会社の投資損失や一部固定資産の減損損失などにより、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。ただ、電源機器事業では大型案件が業績を牽引し、半導体事業でも下期にかけて受注が回復するなど、将来の成長に向けた新たなスタートを切ることができた一年だったと捉えています。
今後を展望すると、AI・データセンターの急速な拡大をはじめ、社会全体で大きなパラダイムシフトが進んでいます。電力需要は中長期的に増加し、電力を安定的かつ効率的に供給する技術の重要性は一段と高まっていくと考えています。
当社の製品は、AIサーバーに搭載される次世代半導体や基板の製造工程、データセンターをつなぐ光ファイバーの製造など、直接目に触れないさまざまな場面で活用されています。パワーエレクトロニクスを通じて社会のコアを支える当社の役割は、今後さらに大きくなっていくと考えています。
課題解決力を生かし、当社ならではの価値を創出する
AI・半導体市場が拡大する中、当社は大手企業と同じ土俵で規模を追うのではなく、お客様の特殊なニーズや難易度の高い課題にきめ細かく応えることで、独自の価値を発揮していきます。
設置場所の制約や通常を超える性能要求などの難題にも、カスタム設計で応えることができる課題解決力は、当社の付加価値と競争優位の源泉です。また、お客様が当社に求めているのは、単に品質の良い製品を提供することだけではなく、安定したアウトプットを出し続け、「インフラを止めない」という安心感を提供することだと考えています。
こうした提供価値をさらに高めるため、製品の販売にとどまらず、保守・メンテナンスまで含めたサービスなど、新たなビジネスモデルの可能性も追求していきます。三社電機製作所の「社会を動かす」力と、三社ソリューションサービスの「社会を止めない」力を組み合わせ、継続的な価値提供につなげていきたいと考えています。
PBR1倍割れを真摯に受け止め、企業価値・市場価値の向上へ
現在、当社が直面している最大の経営課題は、当社の提供価値と成長ポテンシャルが、資本市場において十分に評価されていないことです。PBRが1倍を下回っているという現実を真摯に受け止め、企業価値と市場価値の双方を高めていくことが、経営の重要な責務であると認識しています。
そのためには、まず「稼ぐ力」を高めることが重要です。2033年度に掲げる長期ビジョンの実現に向け、収益力と資本効率を向上させ、営業利益50億円を安定的に実現することを必達の経営課題として取り組んでまいります。
その第一歩として、従来の機能別組織を見直し、電源機器・半導体の事業本部ごとに企画・開発・製造までを一貫して担う体制へ転換しました。各事業の収支責任を明確にし、計画をつくるだけではなく、現場が主体となって確実に実行できる組織へと変革していきます。
同時に、生産性の抜本的な向上にも取り組みます。AIやデジタル技術の活用、設計の標準化、蓄積してきた技術データの資産化などにより、業務の効率化と生産能力の向上を図ります。こうした取り組みを通じて収益力と競争力を高め、持続的な企業価値向上につなげていきます。
93年の歴史を力に、変革と挑戦を続ける
当社は創業以来、ダイオードやサイリスタをいち早く事業に取り入れ、高速道路用UPSを業界に先駆けて提供するなど、新しい技術で市場を切り拓いてきました。こうした挑戦する精神は、創業以来受け継がれてきた当社のDNAです。
93年の歴史の中で培ってきた信頼と技術力を大切にしながら、過去のやり方にとらわれず、変えるべきものは変えていく。そして、新しい発想や技術による挑戦を続けていく。その積み重ねが、三社電機グループの次の成長につながると考えています。
社会の電力インフラが大きく変化する今、当社のパーパス「パワーエレクトロニクスと創造力で、社会を前進させる。」を体現する機会は、かつてないほど広がっています。
パワーエレクトロニクスの力で社会を支えながら、変革と挑戦を続け、持続的な企業価値向上を実現してまいります。ステークホルダーの皆さまには、今後とも変わらぬご支援とご期待を賜りますよう、お願い申し上げます。
株式会社三社電機製作所
- 代表取締役社長
- 山内 得志