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2023年3月22日
蓄電池の更なる活用に向けた周波数制御技術に関する 実証試験の取組み結果について
2023年3月22日
関西電力送配電株式会社
エリーパワー株式会社
株式会社三社電機製作所
株式会社ダイヘン
ニチコン株式会社
株式会社YAMABISHI
関西電力送配電株式会社(以下、関西送配電)は、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「令和4年度蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金(再エネ発電等のアグリゲーション技術実証事業のうち分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業)※1」に申請し、採択されました。
(2022年5月30日お知らせ済み)
関西送配電を含む6社は、2022年11月29日~12月14日の期間にわたり、需要家が保有する蓄電池5台※2を一括制御することで、電力系統における周期の短い負荷変動に合わせて即時充放電させる実証試験を行い、本日、結果を取りまとめましたのでお知らせします。
関西送配電は、2021年度までに、日本電気株式会社(NEC)と構築した、蓄電池を一括制御するための蓄電池群監視制御システム「K-LIBRA※3」を用いて、複数の需要家の蓄電池を遠隔から秒単位で一括制御する試験※4に取り組んでまいりました。今回、GF相当制御※5およびLFC制御※6において、蓄電池の総出力から事前に需給調整市場システム※7に提出した基準値(調整力を供出しない場合にピークシフト等の宅内のエネルギーマネジメント等として出力する計画値)を差し引いて、約定した調整力を供出できるか検証しました。
検証の結果、それぞれの制御において、蓄電池がピークシフト等の宅内のエネルギーマネジメントとして制御されている時間帯においても、蓄電池のエネルギーマネジメントを阻害することなく、約定量を踏まえ蓄電池毎に出力割当を行った上、約定した調整力を供出できることを確認しました。なお、蓄電池の応動実績値は、需給調整市場の一次調整力および二次調整力①の市場要件※8を満たすことを確認できております。
関西送配電を含む6社は、引き続き分散型エネルギーリソース(DER)の更なる活用に向けた蓄電池の周波数制御技術の実用化に向けた技術の確立を目指し、電力の安全・安定供給および再生可能エネルギーのさらなる導入拡大によるゼロカーボン社会の実現に貢献してまいります。
※1 経済産業省が、多数のDERを束ねて(アグリゲーション)、正確に制御する技術等の実証事業を行う経費に対して、当該費の一部を助成するもの。
※2 エリーパワー株式会社が保有する家庭用蓄電池1台。
株式会社三社電機製作所、株式会社ダイヘン、ニチコン株式会社、株式会社YAMABISHIが保有する産業用蓄電池4台。
※3 Kansai transmission and distribution’s Liberty to manage the power grid Integrated Batteries and energy Resource Aggregator(s)の略。
※4 2019年5月22日、2020年3月25日、2021年3月22日、2022年2月25日お知らせ済み。
※5 発電機等の回転速度を一定に保つように、動力である蒸気および水量を自動的に調整する装置である調速機(ガバナ)により、系統周波数の変化に追随して出力を調整させる制御(Governor Free の略)。本試験においては、蓄電池にて計測した系統周波数を基に、蓄電池が発電機と同等の充放電制御を実施している。
※6 需要予測が困難な負荷変動(数分から十数分程度の周期)に対して、検出した系統周波数に基づく中央給電指令所からの指令に応じて、電源等の出力制御をすること(Load Frequency Controlの略)。本試験においては、中央給電指令所[模擬]からのLFC信号を監視制御サーバが受信し、各蓄電池へ信号を送信することで、各蓄電池が充放電制御を実施している。
※7 需給調整市場から調整力のΔkWを調達するためのシステム。本来、基準値は需給調整市場システムに提出するが、今回は提出したものとして模擬的に実証を行ったもの。
※8 一般送配電事業者が需給調整市場で調達する調整力は、応動時間の速さ等によって、5つの商品区分に分けられており、一次調整力および二次調整力①とは、そのうち応動時間の速い商品区分のこと。ここで指す要件とは、第26回 需給調整市場検討小委員会で示されたアセスメントの要件。
以 上