PEOPLE NO.05
高性能で環境にやさしい
パワー半導体開発を目指す
2022年度入社 K.Yさん
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現在、どんなお仕事をしていますか?
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パワー半導体チップの開発
私は主にダイオード、サイリスタやMOSFET等のパワー半導体チップの開発業務を行っています。パワー半導体は、電流や電圧の交流・直流の変換、電流電圧の制御など、さまざまな電力変換装置に使用されています。そこで、私たちは大きな電圧を制御できる高耐圧と環境にやさしい低損失を両立する、より良い特性のパワー半導体を目指し、開発を行っています。例えば、Si(シリコン)-ダイオードの開発では、低損失を実現するために新規の構造を取り入れたチップを開発しています。具体的な仕事の流れは、半導体デバイスシミュレーション(TCAD)を用いて、新規の構造を取り入れることでどのような特性が得られるかを調査し、次にその構造を実現するための製造工程を設計します。新しい構造のため、既存の製造条件がないので、製造方法の条件を決定するために岡山工場へ出張し、自ら工程を実施して試作を完成させます。完成後は、試作品の電気的特性等を評価し、問題・課題を挙げ、改善を行います。さらにこの構造について特許出願を試みており、特許の調査や出願に向けた仕事も行っています。
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だからこの仕事が好き!一番嬉しかったエピソードは?
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半導体デバイスシミュレーション(TCAD)と試作の特性傾向がマッチしたこと
半導体デバイスシミュレーション(TCAD)とは、PC上で半導体素子の構造モデルを作成し、そのモデルの電気的特性を予測できるシミュレーションソフトです。従来、新規構造の最適化には複数回の試作が必要でしたが、試作を行うには費用(材料費、製造装置を動かす費用、人件費など)と時間がかかります。そこで、TCADを活用することで、机上での特性予測が可能になるため、試作の回数を減らすことができ、開発費用と時間を短縮できます。便利な機能を持つTCADですが、使用するには半導体工学の理論的な知識が重要になり、操作はプログラミング言語の記述が必要です。私は学校で半導体工学やプログラミングを学んだことはありましたが、研究室が実験系であったこともあり、忘れていることが多く半導体理論やプログラミングについては苦手意識がありました。そのため、TCADを操作する中で分からないことがたくさんあり、うまくプログラムが動かないこともありましたが、上司に質問したり、参考書で勉強するうちに少しずつ使えるようになり、自分自身の成長も感じることが出来ました。TCADにて新規構造を取り入れた半導体素子の構造モデルのシミュレーション結果の特性と、実際に工場で試作したサンプルの特性の傾向がマッチしたときは、達成感と喜びを強く感じました。
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会社はどんな雰囲気ですか?
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意見が言いやすく、若手にも幅広い仕事の経験をさせてもらえる
学生の皆さんがゼミで集まり進捗を報告し今後の計画を考えるように、私たちも課内でミーティングを行う機会が多くあります。課内で業務の進捗を報告するときやミーティング時に分からないことがある場合には、遠慮せずにその場で意見や質問をしやすい雰囲気です。例えば、進捗を報告した際には上司が経験した類似のケースを紹介してもらえ知見を広める機会をもらえたり、今後の方針なども適切に示してもらえます。また、意見や質問に対しても丁寧に答えてもらえる環境で日々勉強できると感じます。
若手のうちから、TCADでのシミュレーション業務や試作のために一人で工場へ出張に行ったり、社外の展示会や勉強会に参加したりなど幅広い仕事と学びの機会を与えてもらえ、業務の計画も自分で立てて上司と相談するなど、主体的に仕事ができる会社だと実感しています。
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ズバリ!私がこの会社を選んだ理由は?
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学生時代の研究内容が活かせると思ったから
私は学生時代にSiCに関する半導体について研究をしていたので、就職活動時には学生時代に勉強したことが活かせる半導体業界に絞り就職活動を行っていました。その中でこの会社を選んだ主な理由は、学生時代に研究していたSiCを用いたパワー半導体製品があること、ファブレスの会社が多い中、半導体製造工場があったこと、同じ大学出身の先輩が活躍していることでした。学生時代に恩師に就職活動について相談した際、半導体を製造する仕事をしたいなら製造工程の理解がしやすい製造工場を持っている会社がお勧めだと教えてもらいました。その後会社を探しているうちにこの会社に興味がわき、OBと連絡を取り話を聞く中で会社の雰囲気がマッチしていると考え、この会社を選びました。実際に、半導体製造工場があることで製造工程を目で見て理解することができ、学生時代の研究で勉強した内容も仕事に活かされる場面があります。
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先輩からの就職活動をしている学生にアドバイス!
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広い視野で情報を集め悔いのない就職活動を!
就職活動をする中で数えられないほどの業種・職種があり迷ってしまうかと思います。私の場合、インターネットで調べたり、身近な人からアドバイスをもらうなど、幅広い情報を得ることで自分に向いてそうだと思える仕事が見つかりました。集めた情報が多いほど自分に向いていそうだと思える理由も明確になっていき、自分の就職活動の軸になっていったと思います。また、軸ができていると就職活動の面接時に自信をもって挑むことができると思います。数が多い会社の中から決める事は難しいと思いますが、悔いのない就職活動を無事終えることができることを願っています。