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2017年7月14日
電機工業技術功績者表彰にて奨励賞を受賞
2017年4月13日に電機工業技術功績者表彰が決定し、当社は奨励賞を受賞しました。
同賞は、1952年(昭和27年)から、技術の向上と合理化意欲を刺激して業界の発展に資するため、電機工業の進歩発達に貢献された方を表彰するもので一般社団法人 日本電機工業会より贈呈されるものです。
今回の当社の受賞者と業績は以下のとおりです。
重電部門 奨励賞
『高効率燃料電池用パワーコンディショナの開発』
受賞者
技術本部 開発第一部 開発第一課 蓑原 伸正 板倉 一智
開発技術の概要
近年、国内でのエネルギーの安定供給と地球温暖化対策に貢献するクリーンエネルギーが注目され、エネルギーを利活用する、さまざまな高効率化への技術開発が進められている。高効率化すなわち変換効率の向上であり、機器に内在する損失の低減が最大の目標である。
損失の低減には、様々なアプローチが考えられる。今回開発を行った燃料電池用パワーコンディショナは
「半導体損失低減」「巻線類の損失低減」「制御手法による損失低減」の3つの切口で開発を行った。
「半導体損失低減」
SiC半導体のポテンシャルが かなり高いと言う事は衆知の事実ではあるが実際に使用
すると、その効果は驚きに値する物である。従来のIGBTと比較すると半導体損失で68%の
低減が実現できた。なお今回の開発では昇圧回路/三相インバータに自社開発のSiCFETを
採用している。
「巻線類の損失低減」
スイッチング機器には無くてはならない巻線類(トランス/リアクトル)であるが、これらの損失も機器変換効率に大きな影響を及ぼす。
巻線類の損失は銅損と鉄損と浮遊損に分類され、今回は鉄損と浮遊損をターゲットとした。
コア材にアモルファスと珪素鋼を組合わせたダブルコアトランスを新規開発した。
こちらも従来比で68%の損失低減が図れた。
「制御手法による損失低減」
半導体には、その部品が最も能力を発揮できる領域が存在する。その部分を積極的に活用する事で変換効率が向上する。
今回の開発に於いては昇圧回路に同期整流および回路バイパス技術、インバータには変調率一定制御を用いて従来比で16%の損失低減が図れた。
今後も、さらなる技術の発展に磨きをかけ、お客様の利益に貢献できる優れた製品・サービスを提供してまいります。