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トップメッセージ Top Message

「進むべき未来」に、自信を持って突き進みます。

中期経営計画2年目、進むべき未来に自信

「Change to Growth」をスローガンに掲げスタートした私たちの中期経営計画「CG23」は、早いもので3か年のうち2年を終えました。1年目に続き、2年目も主要な財務指標である「売上高」「営業利益」「ROE」については、全て計画を上回ることができました。昨年の統合報告書で私は、「CG23は、10年後のありたい姿を実現するための第一フェーズであり、2年目の出来栄えが進むべき未来を判断する重要な年」というお話をさせていただきましたが、自分たちが「進むべき未来」に自信を持つことができた1年となりました。具体的には、「新エネルギー」の分野です。世界的な脱炭素社会の実現へ向けた潮流が続く中、電源機器事業、パワー半導体事業ともに「新エネルギー」分野の引き合いが強く、受注に繋ぐことができています。この流れはしばらく続くと見ていますし、サステナビリティや私たちの社会的役割(存在意義)としても重要な分野ですので、この機会を確実に成果に繋げていきたいと考えています。

浮き彫りになった課題と対応

一方、課題も浮き彫りになりました。今回、売り上げや営業利益など数字的には計画を上回ることができましたが、かなり背伸びをして達成したというのが実情です。1年を通して部材や部品が不足しているなか、何とか各方面から部材や部品をかき集め、現場が知恵を出し合って乗り切ってくれました。新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻の影響により、このような厳しい状態が今でも続いています。当然、不足している部材や部品は価格が高騰していますし、追い討ちをかけるように電気代を中心としたエネルギーコストも跳ね上がりました。この状況を打破するために海外を含めて新規調達先を開拓したり、生産計画に沿って先行的に部材を手配するなどの対策を取り、部材の安定的な確保を目指していきます。さらに、設計変更により調達可能なものへ置き換えて、安定生産を目指していきます。

もう一つの課題が、私たち自身の設備への投資が遅れていることです。2023年3月期において、私たちは21億円の設備投資を計画していましたが、実際に納入された設備は約10億円分です。私たちの事業活動で部材や部品が不足しているのと同じことが、私たちが発注している設備でも起きています。設備を投資計画どおりに発注しても、納品されない状態が続いています。我々の設備への投資目的は、大きく分けると二つあります。一つは、パワー半導体の製造キャパシティの拡大。もう一つが、工場の自動化です。工場の自動化については、今後の人材不足に備えていく目的もありますが、製造効率を高めて生産性を上げていくことで収益性を高めていくことが狙いです。

「設計の標準化」への挑戦

製造設備の納期遅れに関しては、残念ながらすぐに解決できるものではないと考えています。引き続き、製造工程の効率化は努力を重ねていきますが、私は「設計段階」でもっとやれることがあると思っています。特に電源機器事業においては、設計の工夫でより生産性を高めることができるのではないか?私たちの扱う電源は、大きなものが多いですが、設計の段階でお客様の要望に応えようと努力をしています。そのこと自体は、私たちの強みの一つとなっていますが、最終的には“モノづくり”の現場、つまり製造の工程に負荷がかかっているのが現状です。その改善にはさまざまなアプローチを考えることができますが、その一つが「設計の標準化(フォーマット化)」だと私は考えています。例えば、電源の中にはたくさんの配線が入っています。今はお客様毎に複雑な配線を組んでいますが、ある程度の標準化は可能だと見ています。標準化することで生産性を高め、製造の効率化を図っていくことは、品質向上の点や収益性にも良いインパクトを生みますが、サステナビリティの観点、具体的には気候変動問題や環境への配慮という点でも良い影響を与えていくことができます。我々のようなモノづくりの企業は、地球資源を使って事業活動を行わざるを得ませんので、環境への配慮を念頭に常に活動していかなければなりません。それだけ責任がある事業者だと認識しています。私も技術者出身なので、90年以上続いた当社のモノづくりの考え方や手法を変えていくことは、容易ではないことは理解しています。実現は簡単なことではないですが、次の10年を見据えた中長期的な活動目標として、「設計の標準化」にチャレンジしていきたいと思っています。

100周年に向け、海外事業の主戦場拡大を目指す

この統合報告書のメッセージを書いている今、私たちはすでに中期経営計画「CG23」の最終年度に入っています。「CG23」の計画の達成を目指すと同時に、次の中期経営計画についての議論を開始しました。私たちの中期経営計画は、長期ビジョンからバックキャスティングした3年間の実行計画です。まずは、目線を100周年を迎える2033年に設定し、10年後のありたい姿を議論しています。

現在、私たちの海外事業は中国が大きなウエイトを占めていますが、次の10年では海外での主戦場を拡大していきたいと考えています。注目している地域は、インドと欧州です。現時点でのインドでのビジネスは、日系企業の繋がりに限定されていますが、今後は地場の企業へ拡大していきたいと考えています。次の10年に向けて、この1年でその種まきをしていきます。

欧州については、現在もパワー半導体事業の引き合いが活況です。欧州はグリーンエネルギー分野に関心が高く、可能性を感じる大きなマーケットです。私たちも昨年から欧州での露出を増やしていく活動をしており、水素エネルギーの展示会に出展したりしています。次の10年を考えるうえで、エリア別の戦略はとても重要になってくると思っています。私たちは、より“骨太な戦略”にしていかなければなりません。既存の日本・中国に加え、インド、そして欧州において、新エネルギーの分野で存在感を高める10年を目指します。

SiCパワー半導体の可能性

また、次世代型のパワー半導体として、SiC (シリコンカーバイト)半導体が注目されています。SiC半導体は炭化ケイ素が主要な素材になりますが、従来のパワー半導体に比べ小さく、そして電力損失が少ない高性能なパワー半導体です。私たちも次の10年の一つのテーマとして、戦略的に広げていきたいと考えています。

企業文化・風土づくりは、私の役割

社長としての私の役割は多岐に渡りますが、就任以来、自分の役割として強く意識しているのが「企業文化・組織風土」づくりです。これまで私たちは、お客様に課題をいただき、その課題を解決していくことで技術を磨いてきました。言い換えれば、お客様に育てていただいた会社です。そのこと自体は決して悪いことではありませんが、私たちのビジョンである「Global Power SolutionPartner」を実現するためにも、私はこの会社を「自ら考え、自ら走る集団」にしたいと思っています。

現在、「AC Cafe」という、私との対話を目的とした社内のコミュ二ティイベントを開催しています。電気の流れであるAC/DCのAC(交流)に掛けて名付けられました。「AC Cafe」は、1回あたり約1時間で私を交えた7~8人のグループでの対面形式によるリアルなディスカッションの場です。対話自体は短い時間ではありますが、私が気づいていなかった現場の問題点が見えたり、その後参加者から直接私にメールがくるようになったりしていますので、一定の成果が出て来ていると感じています。この企画は、海外にいるメンバーも含め社員全員と議論する予定です。

次のステップへ向け、パーパスを策定

そして、2023年の大きなトピックスの一つがパーパスの策定です。元々、当社には「経営理念」があります。私たちにとっての「経営理念」は、最も上位に位置する考え方であり、この位置付けは変わることはありません。一方、「経営理念」は事業を営むうえでの“心構え”が記されているものであって、私たちがどの領域で、どのようにして社会に貢献して行くのか?までは定義されていませんでした。そこで私たちが次のステージに進むために、このタイミングで私たちのパーパスを定めることにしました。策定のプロセスとしては、将来を担う若手を中心としたメンバーで原案を作り、当社のブランドを統括していくプロジェクトメンバーでその原案を検討し、さらには取締役会で議論を重ねて行くことで、パーパスを練り上げていきました。結果的に、「パワーエレクトロニクスの領域」で社会に貢献していくことを定めることができました。これから私たちは、このパーパスのもとで“新しい未来”を創ってまいります。

経営効率を高め、企業価値創造に努めます

お陰様で私たち三社電機製作所は、2023年4月に90周年を迎えることができました。お客様、取引会社の皆様、従業員の皆様とご家族の皆様をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様にお礼を申し上げたいと思います。繰り返しになりますが、私たちは、この1年間で向かうべき方向に自信を持つことができました。上場企業として、より経営効率を高め、将来を期待していただく会社にしていけるよう努めていきますので、引き続きのご支援をお願いいたします。次の10年、創業100周年を目指し、進化していく三社電機グループにご期待ください。

株式会社三社電機製作所

代表取締役社長
𠮷村 元

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